
高配当銘柄で有名な「AT&T」と「ベライゾン」どちらも大手通信会社だし、、何が違うのか正直わかりません。特徴をまとめてみました!
「AT&T」と「ベライゾン」は米国の大手通信事業者です。日本で言うと、NTT・ソフトバンク・KDDIに匹敵します。
どちらも高配当株として、長期投資家に人気の銘柄です。どちらも似ているから悩むところではありますよね。AT&Tに関しては今暴落しています。買い時なのでしょうか?そしてあなたに合う銘柄はどちらでしょうか?
違いを見てみよう
早速、違いを見てみましょう。
AT&T | ベライゾン | |
---|---|---|
設立 | 1983年 | 1983年 |
株価 | 27.89 | 55.30 |
配当 | 2.08 | 2.51 |
配当利回り | 7.26% | 4.3% |
配当性向 | 63% | 56% |
PER | 12.26倍 | 13.0倍 |
自己資本率 | 30.75% | 21.44% |
特徴 | 5G以外にも事業拡大中 | 5Gを中心に投資 |
暴落後、伸び悩み | 株価上昇中 | |
連続増配35年 | 連続増配16年 |

緑と赤のチャートがベライゾン、オレンジがAT&Tのチャートになっています。2000年以降の上下は同じような動きですが、2021年には差がかなりあります。何があったのでしょうか?
AT&Tは、2014年にディレクTV・タイムワーナーを買収しています。ですが、現在ワーナーメディアはネットフリックスやディズニーとの競争が激化しています。思ったよりもAT&Tのコンテンツを利用する人が増えていないのが現状。更にこの買収により、負債は1800億ドル以上・・・。負債が大きい企業として有名になりました。
そして何より35年連続増配の凄さ!!2021年は増配ストップとなり、話題になりました。ですが増配に対する強い思い、そしてパフォーマンスが凄いなと思います。ベライゾンも16年連続で増配しています。
しかし、AT&Tの経営側は「負債を削減・配当金額の維持」を強く強調しています。どのような戦略があるのでしょうか。
ベライゾンも過去にメディア関係を買収していましたが、最近は5Gを中心に投資しています。ちなみに、ベライゾンの負債額は1000億ドル以上。こちらも負債は大きいです。
経営方針の違いか
経営方針としては、ベライゾンは現在「5Gに投資を集中」しています。AT&Tは「5G以外」にもメディア事業に力を入れています。
ベライゾンも以前までは5G以外のインターネット事業にも投資をしていました。米国のYahooを買収したというのは話題にもなりましたね。ただ、投資した金額が少なかったため、ベライゾン側での管理がしにくく、あまりいい結果が出せなかった様子です。その後経営方針が変わり5Gに集中したのが、投資家からの高評価・期待を得たので株価も上昇したと見れます。
両者の業績
AT&Tの業績
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AT&Tの売上高・営業利益はこちら。2020年の営業利益が低いですね。そして気になったのがEPS(1株当たりの利益)です👇
2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |
EPS | 2.10 | 4.77 | 2.85 | 1.90 | -0.75 |
自己資本率(%) | 30.49 | 31.72 | 34.61 | 33.39 | 30.75 |
2020年のEPSがマイナスになっています。大赤字となったAT&Tですが、原因はやはりメディア事業。買収したディレクTVを含んだテレビ事業で、155億ドルの評価損を出しています。安く流行りのある動画サービスに視聴者が流れている様子です。
ワーナーメディア事業でも、コロナの影響で映画館での上映が出来なくなり、撮影も難しくなった影響で7億8000万ドルの評価損が出ています。
ただ、メインの携帯電話事業では5G対応のiphoneが発売されるなどして契約者が80万人ほど増加しています。
2021年は、例年並みのEPSに戻ると経営側は予想しています。
ベライゾンの業績
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一方、ベライゾンはかなり安定しています。こんな企業があればぜひ投資したいなと思わせてくれますよね。
2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |
EPS | 3.22 | 7.37 | 3.76 | 4.66 | 4.30 |
自己資本率(%) | 9.22 | 16.76 | 20.07 | 21.05 | 21.44 |
自己資本率も少しずつ増えています。営業利益率ですが、AT&Tよりもベライゾンの方が例年5%程上回っています。
まとめ

調べてわかったことは、経営方針の違いでコロナ禍の影響の差が大きくあるということ。AT&Tは負債が大きいのが現状ですが、売上は安定しています。
ぱっと見、ベライゾンの方が将来も期待できますし、保有したいなと思う企業ではあります。ですがリターンを考えると、基盤がしっかりしているので長い目で見て今後の回復に期待し、AT&Tも割安でいいかもしれません。
2021年2月、AT&Tが「ディレクTV」をTPGキャピタルに株式の約3割を売却するとニュースになりました。2021年後半には取引が完了するそうです。
コロナ禍の影響を引きずっているAT&Tでしたが、この売却で投資家からの期待値は上がるのでしょうか。
また、2020年4月に通信業界3位「Tモバイル」と4位の「スプリント」が合併完了したとニュースになっていました。今後勢いをつけてくるのでしょうか。そちらにも注目です。

AT&T保有していて少し心配していたけど、ディレクTVの売却のこともあるしもう少し様子を見てもいいかもしれないなぁ。